人生を幸せにするものは何?不幸にするものは?

あなたは、ハーバード大学心理学教授ロバート・ウオールディンガーの講演『人生を幸せにするのは何?最も長期に渡る幸福の研究から』をご存知でしょうか?

日本語訳付きのその講演を”TED”で見ることができます。

人を幸せにするのは、何でしょうか?
(以下、TEDの中身を抜粋して、私なりにまとめます)

75年間にわたる研究からわかったことは、人を幸せにするのは、人と人とのつながり(人間関係)です。

富ではありません。地位や名誉でもありません。仕事や業績でもありません。良質な人間関係が最も大事だ、というのです。

人間関係について、3つの教訓がありました。

1つは、周囲とのつながりは健康に本当に良いということ。一方、孤独は命取りになります。

家族や友人やコミュニティとよくつながっている人ほど幸せで、身体的に健康であり、つながりの少ない人より長生きするということが分かったのです。

2つめは、50歳で最も幸せな人間関係を築いていた人が、80歳になっても一番健康だった、という点です。

それに対して、孤独は害になり、幸せを感じさせないことが見えてきました。孤独は身体の衰退を促進し、人生を短命にします。

愛情のある良い人間関係は、人を保護します。良質な関係がクッションとなって、中高年期以降のさまざまな問題の緩衝材となってくれるのです。

中でも特にパートナー同士が幸せと感じていたカップルは、80代になって身体的苦痛があっても、心理的に幸せでいます。

3つめは、良い人間関係は身体の健康だけでなく脳を守り、記憶をしっかりと保ちます。

一方、良い関係を持っていない人には、記憶障害が早期に起きる傾向があります。

私たちは、人生を幸せにするものは富や名声や業績と思いがちです。しかし、ハーバードでの75年にわたる研究で示されたのは、最も幸せなのは、良質な人間関係を育成し、そこに身をゆだねる人たちだったのです。

良質な人間関係は、家族や友人やコミュニティなどからから作られます。

精神分析の開祖ジンクムント・フロイトは、仕事と愛(良質な人間関係)が人の幸せに密接にかかわっていると述べました。

ウオールディンガーは、フロイトと違って良質な人間関係を幸せや健康のベースに置きます。

私たちは、フロイトにならって仕事と愛(良質な人間関係)とのバランスが、ファミリービジネスを持続的な幸福、健康、成功、豊かさに導くと考えます。良質な人間関係の育成には地道な、終わりなき作業が不可欠です。

ノンファミリービジネスと違って、人間関係の育成にじっくりと腰を据え、長期的視座から取り組めるのがファミリービジネスのパラダイム(枠組み)です。

富、名声、業績、地位だけを求めて孤独/孤立を産んでしまう、幸せでない(不幸な)ファミリービジネスになっていただきたくない。

今回はファミリービジネス幸福の土台であり、中核である良質な人間関係の大切さと孤独の問題点を、ウオールディンガーの講演を参照しながら述べさせていただきました。

あなたは、ファミリービジネスにおける良質な人間関係/愛/つながり/絆に、ご関心がありますか?

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