FBAA フェスタ 2026 を終えて ファミリービジネスへの社会的関心の高まりと― FBAA の役割―

FBAA フェスタは、ファミリービジネスに関わる仲間が年に一度集い、学び合い、交流する FBAA のお祭りとして始まりました。2022 年に会員向けの実践報告会としてスタートし、今回で 5 回目を迎えます。回を重ねるごとに参加者の輪は広がり、2026 年は 6 月 20日に横浜の地で 109 名の皆様にご参加いただき、会場は定員いっぱいの満員御礼となりました。想定を上回る参加希望をいただいたことは、ファミリービジネスやファミリーガバナンスへの関心が、着実に社会へ広がっていることを示すものです。
今回のテーマは「心をひらく、家業がひらく」。開港の地・横浜にちなみ、家族が対話を通じて心をひらき、家業が次世代や社会へひらかれていくという願いを込めました。第1 部では崎陽軒の野並直文会長より、伝統と革新を両立させる三代目の覚悟についてお話しいただきました。第 2 部では大川印刷の大川哲郎社長より、「事業承継」を超えた「使命承継」の重要性が語られました。さらに第 3 部では、FBAA フェローによる動画とパネルディスカッションを通じて、ファミリービジネスアドバイザーに求められる共感力、対話を支える力、複雑な葛藤を受け止める力について考えを深めました。
今回の盛況は、ファミリービジネスが日本社会を支える重要な存在として、あらためて認知されつつあることを示しています。同時に、経済産業省によるファミリーガバナンス・ガイダンスの公表などを背景に、事業承継を単なる株式や経営権の移転にとどめず、ファミリーの関係性、理念、幸せを含めて考える必要性が高まっています。
だからこそ、FBAA の役割はますます重要になっています。ファミリー、ビジネス、オーナーシップの 3 つの視点を統合し、支援者が学び合い、励まし合うプラットフォームとなること。そして、「一社に一人のファミリービジネスアドバイザー」を目指し、日本のファミリービジネスが社会から尊敬と誇りを集める存在となるよう支えていくこと。横浜で灯された希望の火を、次回の FBAA フェスタ 2027 へとつなげてまいります。
【FBAAフェスタ2026@横浜 報告レポート 〜心をひらく、家業がひらく。希望をともすFBAA〜開催報告】
https://fbaa.jp/archives/seminar-reports/fest2026-report
日本ファミリービジネスアドバイザー協会
理事長 武井一喜
Author Profile
慶応義塾大学経済学部卒。
コロンビア大学ビジネススクール経営学修士(MBA)。経済産業省「地域経済におけるファミリービジネスに関する研究会」委員(平成21年度)。
キャラクター商品メーカーを経て家業の寝具製造卸会社に勤務。基幹業務システム設計導入、リストラプラン策定実施、新規事業立ち上げの後、4代目社長。その後IT関連の起業に参加。'03年WellSpring設立。'24年2月にセブン・スプリングス株式会社設立、代表取締役・ファミリービジネスコンサルタントとしてコンサルティング・講演・研修・執筆活動を行っている。
著書:「同族経営はなぜ3代で潰れるのか?~ファミリービジネス経営論~」クロスメディア・パブリッシング、「ほんとうの事業承継」共著 生産性出版 他