ファミリービジネスコンサルタントの世界会議(FFI)

 

FBAA理事長の武井一喜です。10月29日から31日まで、ボストンで開催されたFFIの世界大会に3名のFBAAメンバーと共に参加してきました。世界各国から集まる、志を同じくする仲間たちから大いに刺激を受けて、気持ちを新たに帰ってまいりました。

FFI (Family Firm Institute)は、1986年に設立された、米国のファミリービジネス学会であり、多くの実務家が参加する組織です。今年の世界大会は35か国から300名が参加。うち、アドバイザー200名、研究者80名という構成です。ファミリーオフィスのマネジメントにかかわる方も多く参加しています。

FFIは来年40周年を迎えますが、2006年に私が初めて参加したときは、アメリカ、ヨーロッパ、南米からの参加者がほとんどで、アジアは私一人という状況でした。その後はアジア(特に香港とシンガポール)や、中東の人たちが増え、現在はアフリカからの参加者も増えています。2006年頃はファミリービジネスを専門にするコンサル会社は数えるほどでした。今回、大手の戦略系コンサル会社はもとより、欧米、アジアでたくさんのファミリービジネス専門コンサル会社が生まれていて、活発に活動していることが目につき、この分野の発展に驚きます。

大会には、全員が集まる基調講演や、5つの会場で並行して行われるテーマ別セッションなど、3日間で約40種類のプログラムが用意されています。研究者や実務家が発表するテーマ別セッションは、「持続可能性の戦略」、「ファミリーの価値観に合う投資戦略」、「後継者育成プロセスとしてのサーチファンド利用」、「新時代の慈善活動」、「AIとファミリービジネス」、「株主間契約の効果」、「アフリカのファミリービジネス」、「質問の技術」などさまざまなテーマで行われ、アドバイザーとクライアントのファミリーメンバーがパネルディスカッションを行う形式など、会場とのやり取りが白熱するセッションも多くあります。

もう一つ、私が初めて参加した時、「FFIはなんと暖かいコミュニティーか」、というのが率直な印象でした。若いころにニューヨークのビジネススクールに留学した時は、Competitive(競争的)といった言葉がぴったりする学生のコミュニティーでした。それと比較して、FFIの人たちの思いやりにあふれる会話は、全く正反対のものでした。

大変ありがたいことに、私たちFBAAのコミュニティーは、この思いやりある、暖かい雰囲気にあふれたものになっています。これもファミリービジネスを支援するアドバイザーのありたい姿を示していると思います。

来年の40周年世界大会はニューヨークで開催されます。ぜひご一緒に参加しましょう。

FFIホームページ
https://www.ffi.org/

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