ファミリービジネスこそ、永代続く経営である

ファミリービジネスは日本だけではなく、世界中の多くの企業が行う経営形態にあるにも関わらず、「売り家と唐様で書く三代目」というようなことわざがあるように、事業継承の難しさや悪い面ばかりが表に出ているように感じていました。

私の会社もファミリービジネスであり、父が創業した会社を私が受け継ぎ、そして今、自分の息子に会社を引きつぐ準備を進めていく中で、ファミリービジネスは一族によって所有され、そして同時に経営していく経営形態にファミリービジネスの経営や事業承継の難しさを感じる事もありました。

しかし同時にファミリービジネスの素晴らしさや、可能性も多く感じています。

そんな自分自身の経験と想いが、ファミリービジネスの経営者の方に伝えることも、自分の使命と思い、ファミリービジネスアドバイザーの認定講座を学ぶことにしました。

ファミリービジネスの難しさの所以は、一族が会社を所有し、同時に経営も行ってゆくことにあると思います。

その中で「ビジネス」「オーナーシップ」「ファミリー」という3つの要素のバランスをとるのはなかなか難しいことだと思います。

しかしその反面では、ファミリー企業は経営と一族を重ねた視点でものを見る事で、目先の利益にとらわれることのない投資や経営をすることができるのです。

その結果としてファミリービジネスの方が非同族よりも資産利益率が高いことや成長率が高いという事がある調査の結果でも明らかになっていますし、非同族企業よりも優れているという結果が数多く出ているのです。

現在、ファミリービジネスアドバイザーとして、中小企業の経営者の方を対象に講演活動を不定期で行っています。

そこで感じるのは、やはり皆さん同じような悩みを持っておられ、そしてそれを相談する場所が本当に少ないのだなということです。

そして、多くの方が経営そのものよりも、事業承継について悩んでおられるような気がします。

私が少しでも多くの企業の力になればと思っています。

私が思うのはファミリービジネスとは長所も短所ももちろんあります。

しかしファミリービジネスの一番の長所というのは会社としてのビジョンや理念を深くまで追求できること、そしてファミリーだからこそ、ビジョンや理念を深い部分で継承できることなのではないでしょうか。

私は、会社を息子に引き継いだあと、事業に関しては環境の変化に合わせて変化してもらっても全然かまわないと思っていますし、それが企業における進化だと思っています。

しかし、ビジョンや理念は忠実に受け継ぎ、守っていってほしいと思っています。

なぜなら創業者より守られてきたその想いがあったからこそ、数々の経営の危機を乗り越えてこられたのだと思っていますし、そしてそれが、ファミリービジネスが成功し、永代続く会社になる唯一の道だと思っているからです。

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