事業承継と番頭について

7期フェローの山崎壮と申します。私は3代目の後継者として、事業承継の準備を進めています。

その中で、私はFBAAフェローの加藤さんから「東京番頭会」のメンバーとしてお声がけ頂き、同期の西田さんや加藤さん、金尾さんはじめ、11名のメンバーで番頭の勉強会を定期的に行っております。

この番頭会を通じて私は、番頭は企業の永続的な繁栄を目指す為に、必要不可欠な存在だということ、また私自身が事業承継を進めるなかで、番頭の役割を理解する重要性に気がつきました。

以前、西田さんや加藤さんのコラムにも番頭について触れていましたが、私も番頭について感じたことを記します。

番頭とは?

そもそも番頭とは何か。一言で表すとNO.2。

トップの補佐役として、トップの弱点を補い、その非を諫め、その意思決定と決断を補完し、その負担を軽減する役割と機能を果たすとされています。言い換えると、名補佐役に恵まれたときにはじめて、トップはその力を存分に発揮することができます。

つまり番頭とは、トップには欠かせない存在であり、会社の永続を目指すのに必要不可欠な存在だといえます。

番頭の役割とは?

では番頭の役割とは何か。大きく分けると5つに分類されていると言われています。

・大番頭(日本の補佐役の筆頭)
トップの非を諫め、その独走・暴走を、実力をもって阻止する事が最大の任務

・ご意見番(孤高の実力派補佐役)
トップに真正面からモノ申す役割、またトップのよき理解者であることが求められる。

・女房役(トップの忠実なる補佐役)
会社業務全般にわたって目配りし、トップを補佐する人。また、トップの人間的な側面、性格や私生活についても熟知する必要がある。

・トップの分身(右腕型補佐役)
トップの忠実なる補佐役。経営再建やとトップの特命を受けて水面下で活躍する超多忙人間。

・懐刀(黒子型補佐役)
補佐役の中でも一番神経をすり減らす非公式の仕事に従事している。忍耐強く強靭な精神の持ち主である事が必要。

このように番頭には様々な役割がありますが、実際には企業においてそれぞれの役割を分担する形で、トップを補佐する人たちが存在していると考えられます。

実際、私の会社でも社長の兄弟である専務2人と経営幹部3人が、番頭のそれぞれの役割を担っていると感じます。また、後継者である私自身、この番頭の役割の中でどの役割を果たせるのか考えながら業務を行う事を意識しています。

そして同時に、数年後の事業承継後に向けて、番頭役になる方との関係も築いていかなければいけないと感じます。

番頭の精神

番頭の精神として大切なことは、トップの指示、命令が適切を欠く場合であっても、最大の結果を出す事が求められます。そのため番頭の責任は大きく、その役割を果たす強い心構えと覚悟も必要になります。

そのためにも、番頭はトップとの信頼関係を築きあげ、トップと一心同体となって会社の経営をしていくことが求められます。

私が承継までの間に準備しないといけないことは、自身が「トップとなったときに果たすべき役割は何か?」を、現社長の経営を見てしっかりと学ぶことです。

同時に、番頭の勉強会を通じての学びや、自身が番頭役として経験したことを整理し、次の番頭役を育て、ともに経営を担う体制を築いていきたいと思います。

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