ファミリービジネスの番頭として

私は現在、某衛生管理会社のNF(Non Family)取締役をしております。

弊社は創業60年を超えるファミリービジネスでありますが、おかげさまで、社員も1300人を超えるところまで成長しました。

社長は5代目で、2年前に事業承継しました。

初の第3世代(いとこの世代)への承継ということで、これからのファミリーガバナンスに多くの課題を抱えています。

私は2017年にオーナーの勧めで、日本大学大学院の階戸先生のゼミに入学させて頂きました。

当初は経営学を学ぼうと思っていたのですが、階戸先生にファミリービジネスを教えて頂き、その研究に大変興味が湧きました。

そして2年間勉強させて頂いて、最終的には「日本のファミリービジネスにおける番頭の意義」と題した修士論文を書き、2019年3月に卒業しました。

その階戸ゼミでFB研究会にも参加し、いろいろな方にFBAAの講座をお薦め頂いて、2019年第7期の講座を受講しました。

ファミリー・セラピーやNF幹部についての講義は、自分の現状についての意識改革に、大変役に立ちました。

また、様々な方とのディスカッションは本当に刺激的で、各々の経験に基づいた意見交換は腑に落ちるものであり、ずっと続けていたいと思うほど、楽しい時間でした。

このように楽しく勉強させて頂いたFBAA講座が終了するときに寂しく思っていますと、FBAAフェローの加藤さんから「東京番頭会」を結成したいので参加しないかとお声をかけて頂きました。

東京番頭会のリーダーは、前号のFBAAニュースレターで寄稿された同期の西田さんにお願いしました。現在のところメンバーは11名で、社長、番頭、研究者で構成されています。

社長の方々は番頭の育て方に興味を持たれていますし、番頭はファミリーの信頼を得るにはどうすべきかに関心があります。

月に一度、近況報告を行ってコミュニケーションを図っています。

現在は、番頭についての共通認識を持つために青野豊作著『番頭の研究』(ごま書房、1997年)を全員で読み、各章ごとにディスカッションをしています。

設立当初は対面で集まって実施していたのですが、昨年よりコロナ禍のため、リモートで話し合っています。

東京の他に「大阪番頭会」「京都番頭会」があり、その方々と共に、2021年5月29日「日本番頭支援協会」を設立しました。

この協会は、【永続している企業の1つのノウハウとして存在する「番頭制度」を通じ、企業の日本的良き伝統、日本らしさ、オリジナリティを勘案した「未来的日本的経営」に貢献し、ファミリービジネスの持続的成長・発展に重要な役割を担う「番頭」を育て、元気にし、共に成長するコミュニティ】を目的としています。

メンバーのみなさんと

  • ファミリービジネスの番頭制度が、持続的経営の重要な成功要因であることを、日本的経営の知恵から学び、明らかにする。
  • ファミリービジネスを支える番頭が、どう経営に関わったのか?その事例を収集し、考え方と行動を調査分析・整理し、次代へ向けたNEW番頭像を提言する。

以上の活動によって、ファミリービジネスの発展と永続性に貢献したいと思います。

FBAAでの学びが、多くのことを気付かせてくれたことに深く感謝しています。

そして、FBAAのみなさんとの出会いは、本当に大きな財産です。

これからもみなさんと一緒に、学び続けていければありがたいと思います。

コロナ禍の中、皆様どうかお身体をご自愛ください。

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