ベンチャー企業経営でも役立つ、FBAA

2019年にFBAAに入会し、当初はファミリービジネスアドバイザーを目指しておりましたが、刺激を受けすぎまして、自らがビジネスを開始し、現在、フィンテックのベンチャー企業の経営をやっています。

FBAAの同期は約半数が後継者やそのファミリー、約半数がアドバイザー系でしたのでFBAAの講座はアドバイザー養成に留まりません。

ファミリービジネスアドバイザーとして学んだことを経営の判断軸とすることは多く、とても活用ができています。

FBAAを経て、起業した立場で感じる、FBAA講座の「お役立ちベスト10!のうちのベスト3」をご紹介します。

企業のステージ(創業、拡大/組織化、安定成長、衰退/再生)により、関係者の範囲、課題の内容は異なると思いますが、 ベンチャー企業で創業から拡大/組織化へ移行の過程であることを前提で記載します。

お役立ちベスト3

No.1 創業理念、経営理念

創業理念、経営理念がやはり大事です。

ミッション、バリューなど言い方は異なるかもしれませんが、会社の存在意義、目的を明示かすることです。

「大企業に就職すれば、潰れないから安泰」と思っていましたが「潰れないかもしれないが、定年まで勤めるのは困難」になってきました。

優秀な人ほど、自分のやりたいことを見つけ、共感できる会社に転職します。

優秀な人材を振り向かせる、やりがいを持って仕事をしてもらうことを考えると、会社の存在意義、目的、社会への貢献度が重要ですし、それを日々の活動、様々な判断の軸にして、実践することがとても大切です。

さらに「創業理念、経営理念」を丁寧にお伝えすることで人や案件紹介を頂く機会が増えます。

No.2 コンサルティングツール

特にアセスメントツールが役立っています。

私は現在、ファミリービジネスアドバイザーをやっていませんが、アセスメントツールを応用して、独自のものを開発しています。

アセスメントツールで診断することで顧客がどのタイプで、どこに課題があるのかが分かります。

その結果、どんな対策をするかプランニングが可能になります。

またスリーサークルモデルのように業界やテーマが異なっても複数の視点からの診断は重要です。

※FBAAでのスリーサークルモデルとは経営、資産、家族の3視点でファミリービジネスを検討する手法。
スリーサークルモデル自体は関連する3つの視点を設定して多角的に検討すること。

私の場合はその時々で3つの視点を設定してアセスメントツールを作成して顧客の強み・弱みを炙り出して、その後のコンサルティングに繋げています。

そしてコンサルティングを通じて、顧客のパラレルプランニングプロセスに類似したプランニングを実施し、必要に応じて自社のソフトウェアを導入してもらっています。

※パラレルプランニングプロセスとは、2種類の課題を並行して解決する手法。例えば、家族と経営の課題を並行して、ステップを設けて解決する。

No.3 ファミリーセラピー

金融やITの知識に偏りのある私には受講以前に最も縁遠く、知識のなかった分野で、最も面白く感じた内容でした。

現在、フィンテック企業を運営して、大小様々な問題が発生します。

なぜそうなったのか?と原因を究明し、対策を講じる訳ですが、直接的な原因というよりも、様々な要因が絡み、またその個人の個性も影響しています。

以前の職場でも、社員のやる気の低下、うつ病の発生、会議中に後ろ向き発言、攻撃的な発言などあり、本人への指導のみでなく、システムとして改善が必要だと感じていました。

これらの問題を紐解いて、それぞれの問題への一貫性のある対処を施す必要があるのですが、問題を深堀する際に、心理学の知識が必要など痛感しております。

当社はファイナンシャルプランナー向けのシステムを開発しています。
これまで大変だった計算が容易にできるシステムです。

計算をする行為自体はシステムがやりますので、計算すること自体はもはやファイナンシャルプランナー仕事ではありません。

そうなると、算数よりも国語が得意になる必要があります。

問題を表面的でなく、心の深層まで究明する、そして改善のための行動を促す。

そのためには、すこしかじった程度のファミリーセラピーの知識ですが役立っています。

 

以上が、ベスト3です。

イノベーションは模倣から生まれているそうです。

FBAAでの学びが、知識の幅を広げ、思考を深くするきっかけとなり、「様々な分野を学び、応用して実践することが重要である」ということを再認識しました。

さらに、FBAAで伝統ある企業の創業者の壮絶な人生を見る機会も増え現代のベンチャー企業経営者も負けられないと鼓舞させられます。

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