跡取り娘が日本を救う!跡取り娘ドットコムの女性後継者支援について

7期フェローの内山統子(うちやまのりこ)と申します。

私はブランディングのコンサルティングと共に、地域活性と女性活躍をライフワークにしております。

2021年はファミリービジネスでより女性が活躍する社会になって欲しいとの願いを込めて、私が代表を務める「(社)日本跡取り娘共育協会」(サービス名 跡取り娘ドットコム:https://atotorimusume.com/)の話をさせていただきたいと思います。

跡取り娘ドットコム立ち上げのきっかけ

私が跡取り娘に関心を寄せるようになったのは、本業のブランディングの仕事で出会った1人の女性でした。

高名なお父様のもと、愛憎混じる複雑な環境で育った彼女の口癖は「何をしたらいいか分からない」。

家業を継ぎたいと願いながらも叶わず、お父様から「女はいらない」と言われて育った彼女は、決して「分からない」のではありませんでした。

本心は、“何を言ったら、どのように評価されるかが分からない”だったと思われます。

苦しんでいる彼女を見て、きっとこうした女性はたくさんいるだろうと思い、心の拠り所になるコミュニティを作ろうと、(社)日本跡取り娘共育協会(https://atotorimusume.com/)の設立を考えました。

その思いの根底には女性リーダーを育成し共に成長する場を作ることで、家業の事で悲しい思いされる女性を無くしたい。という思いがあります。

跡取り娘ドットコムの提供価値

弊会跡取り娘ドットコムに所属する女性後継者たちは、「周囲に共感しあえる仲間がいない」という、見えない悲しさを抱えています。

家業を継ぐという特殊な境遇の女性が集まり、心置きなく話ができる場がある、ということで、この跡取り娘ドットコムに価値を感じていただいています。

また、女性後継者の場合は、会社だけでなくプライベートの変化も影響を及ぼします。

結婚相手の選定からパートナーとの関係、子育てや家事のバランス、両親の介護など、経営以外にも「女性ならでは」の悩みはつきません。

こうしたことを相談するにも、会社を背負うという同じ立場だからこそ「分かり合える」という安心感のもとで、彼女たちは話すことができます。

跡取り娘ドットコムでは、全国の女性の会員の方と毎月1回のオンラインでの交流会を開催しています。

話題は、自社株の承継から新規事業の取組み、はたまたパートナーを会社に入れるか、嫁姑の関係など、毎回「ここでしか話せない」テーマで話が尽きません。

安易に人には言えないことでも、安心して話して下さる跡取り娘さんたちの様子をみて、この協会を立ち上げた甲斐があったと深く感じています。

女性リーダーの社会的価値

話は変わって、グローバルにみる女性リーダーという観点から、跡取り娘の可能性を考えたいと思います。

「ヘイズ アジア給与ガイド 2018年版」によりますと、女性管理職の割合が高い国は、マレーシア(38%)、中国(37%)、シンガポール(30%)、香港(29%)と続きます。

日本は前年の調査結果と同様(22%)ですが、アジアでは最下位です。

女性管理職と女性後継者とは文脈は異なりますが、社会的な女性リーダーの重要性が年々高まっていることには論を俟ちません。

日本の社会でキャリアを積むことの障害は高いと言えます。

さて、ここからは未来志向の話をしていきます。

女性リーダーの躍進がなぜ奨励されるのでしょうか?

跡取り娘ドットコムの会員女性経営者が起こしたダイバーシティマネージメントの成功事例から、女性リーダーの社会的価値をお示ししたいと思います。

  • 男性主体だった業界に女性の感性を取り入れ、新たなイノベーションが起き、売り上げを5倍にした。
  • 先代のトップダウン型から対話を重視したマネージメントスタイルに切り替えて、離職者が減少。ボトムアップ型の組織に変化した。
  • 働き手が減っている男性中心の業界で、女性や若手が入りやすい様に工夫。雇用が増えて地域経済の発展に寄与。
  • 仕事と家庭のワークライフバランスが整い、男性の育休取得率(男性育休の制度もなかった職場が多い)が100%になった。

こうした事例を垣間見るだけでも、今の日本の中小企業が抱えている課題を解決する余地が、跡取り娘にある気がしています。

終わりに

冒頭でお伝えした女性後継者のその後について、最後に記しておきます。

彼女の会社のブランディングを進めていく中で、先代の歴史を紐解き、お父様の思いをトレースする旅を併走しました。

数ヶ月経った頃の彼女から出た言葉を、今でも覚えています。

「私、やっと自分が見えてきました」と言った清々しい表情に、家を恨んできた彼女が、家業を受け入れて出てきた真の言葉だと実感しました。

家業は廃業なさいましたが、彼女はお父様の意思を受け継ぎ、同じ業界でいまも活躍しています。

女性が家業を継ぐことはまだまだ難しい状況ですが、ガラスの天井を乗り越えられる環境にある跡取り娘たちには、秘められた素晴らしい才能を発揮し、経営者として活躍してほしいと願います。

皆さまの周囲に、同じ立場の仲間を求めている女性後継者の方や親族で経営に関わっている女性がいらっしゃいましたら、ぜひとも内山(info@atotorimusume.com)までお声掛け下さい。

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