事業承継税制について

事業承継税制は要件緩和の方向でほぼ毎年見直されています

事業承継税制の代表的な制度として、自社株式に係る相続税・贈与税の納税猶予制度があります。

この制度、少しずつですが、ほぼ毎年見直されています。

年末に公表された平成27年度税制改正大綱においても、見直しが行われました。

自社株式に係る相続税・贈与税の納税猶予制度は、簡単に言えば、事業継続を前提として、後継者への株式移転時に発生する相続税や贈与税の納税を猶予してもらえる(待ってもらえる)制度です。

納税を猶予してもらった後継者が次の後継者に株式を移転し、事業承継を行えば、後継者が猶予してもらっていた相続税・贈与税は免除され、新たに次の後継者について株式移転時に発生する相続税・贈与税の納税猶予がスタートします。

納税を猶予してもらっている期間中に事業を廃止するなど一定の要件に該当した場合には、納税猶予がストップし、待ってもらっていた税金を納付しなければなりません。

つまり、納税猶予のバトンを代々引き継いで行かなければならない制度ですので、この制度に乗るかどうかは判断の難しいところです。

今回の改正:株式移転について見直し

今回の改正では、2代目経営者から3代目経営者への株式移転について見直しが行われました。

現行では、1代目の経営者が存命中に、2代目経営者が3代目経営者に株式を贈与した場合、2代目経営者は猶予されていた贈与税を納めなければなりません。このことが、3代目への承継を困難にしていると考えられていました。

今回の改正では、1代目経営者が存命中に、2代目経営者から3代目経営者への株式の贈与が行われた場合、2代目経営者が猶予されていた贈与税が免除されることになりました。

ただし、3代目経営者も納税猶予制度の適用を受けることが条件となります。

あまり使い勝手が良くないと言われるこの制度ですが、事業が継続されれば、事業承継に係る税コストは大幅に軽減されます。

要件緩和の改正が続いていることもありますので、自社への適用の是非について、顧問税理士にご相談頂くのも良いかもしれません。

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