世界のFBリーダーに学ぶコンサル心得五カ条

先月は、FBAA 特別講演会「ファミリービジネスの永続性に向けた世界の潮流」に参加させていただき、貴重な体験をさせていただきました。

改めてお礼を申し上げます。

私は、ランズバーグ教授やガーシック教授と、お話しさせていただく機会を多くいただきました。その時に私がお伺いした内容を、皆さんとシェアさせていただきたいと思います。

まず我々アドバイザーを対象としたイベントの際のお話です。

ランズバーグ教授とガーシック教授からアドバイザーとしての心構えをたくさんいただきました。中でもランズバーグ教授は、クライアントさんと信頼関係を築くことがとても大切だとおっしゃっていました。

その後の懇親会の席で、教授に質問させていただきました。

私は海外の方とお仕事をさせていただく機会が多いのですが、海外の方とは、もともと文化的背景の違いや商習慣の違いがあります。このような違いを前提にした時に、信頼関係を築くためにはどうしたらいいですか、と質問させていただきました。

教授からは 大変示唆に富んだお答えをいただきました。

まず最初に大切なことは、コンペテンス(Competence)、有能であること、とおっしゃいました。 私はファミリービジネスに関しては、まだまだ知らないことがたくさんありますが、不動産の評価や有効活用、不動産投資に関しては、これまで30年近く関与した経験があります。

さらに最近は UMI( ユニバーサルマインドインテグレーション)という手法を使って世代間、あるいは社長と従業員との人間関係の改善について、アドバイスさせて頂いております。こうした部分に関しては、まず自分が提供できる内容を把握し、より高い専門的な知識と経験を積み重ねていくこと、これが大切だと受け取りました。

信頼関係を築くために重要な二番目のポイントは、コンシスタンス(Consistence)、首尾一貫性ということでした。コンサルタントは様々な立場の方々とお話をする機会があります。

各立場の方に対して、一貫した見方、姿勢を貫く、これが大切なのだと考えました。

さらに必要なことはコミュニケーション(Communication)、意思疎通をしっかり図ることと言われました。私もなかなか完璧にできていると思えませんが、特に外国人の方とお仕事をするときには、伝えたと思っても伝わっていないことがたくさんあります。

ですので、相手からしつこいと言われようとも、しっかりと電話とメールで確認し、意思疎通をするということが大切なのだと思いました。

そして次に大切なことはコンフィデンス(Confidence)、自分に自信を持つということでした。これは、クライアント様とご縁をいただいた、そして自分にチャンスを頂いた、このご縁をどうとらえるか、ということではないかと思います。どうすればクライアントさんが、より良い人生を送っていただくことができるのか、それを真剣に考えて自分のスキルを最大限に生かそうとするときに、自信が生まれるのではないかと思いました。

クライアントさんの貴重な時間とエネルギーをいただくわけですから、これを無駄にしないように、自分の持てる最大限の力をだそう、そう思うことによって自信が持てるようになるのかなと思いました。

そして最後におっしゃったのはコンパッション(Compassion)です。これは、相手に対する思いやりのようなものでしょうか。深い愛情、これが大切だとおっしゃっていました。

これがあることによって、自分だけが成功すればいいという考えではなく、本当にクライアントさんの立場に立って、中長期的に一体、何が幸せなのか、これを考えることなのかなと思いました。まだまだ経験の足りない私ですが、本当にいいお言葉を頂いたと思い、感謝しております。

この会議とその前後のイベントを通じて、ランズバーグご夫妻そしてガーシックご夫妻の仲の良さをとても微笑ましく思い、素晴らしいなと思いました。そこで会議が終わった後この2組のご夫婦にお伺いしてみました。皆さんはとても夫婦仲がよろしいのですが、どのような秘訣があるんでしょうか、教えていただけますか、とお願いしました。

まずガーシック博士ご夫妻です。

ガーシック博士よりも、奥様のコニーさんは一つ年上だそうです。そして結婚された時に、奥様もご主人と同じようにキャリアを積んで行かれるので、どうすればお二人が幸せになれるかを真剣に話し合ったそうです。

そして家事や育児を全て分担すること、ご主人と奥様は、お互い相手のキャリアの成長を尊重し、出来る限り柔軟に対応するという姿勢を保つ、これが大切だとお伺いしました。

例えば、お二人がどこに住むかということですが、どちらか一方が仕事のために新しい大学の近くに居所を構える、ということになったら、もう一方のパートナーもそれについていく、そして新しい場所で自分の仕事を見つける、そして数年経った時には、今度はついて行ったパートナーが、自分が主体的に自分のキャリアにとってプラスになる大学を選び、そして相手がそれについていく、ということを繰り返していったと伺いしました。

とても印象的なお話でした。お互いが対等に相手を尊重しているなと感銘を受けました。

ランズパーク博士も同じようなお話をされました。家事と育児は分担しようということで、お子さんが小さい時からおむつを替えるということも率先してやられたということです。

最近は、日本でもイクメンという言葉が流行っていますし、家事や育児を率先してやられる男性も多いと思います。この先生方は何十年も前から、これを自然体で行われていて、とても素敵だなと思いました。男女にこだわることなく、相手の生き方を尊重して、無理することなく、自然体でサポートしていくようになりたいと思いました。

今回は通訳・翻訳としてもこのイベントに関わらせていただき、また教授たちと親睦を深める素晴らしい機会をいただきました。2019年には、ファミリービジネス・イタリアツアーがあります。海外のファミリービジネス事情を皆さんに知っていただく、素晴らしい機会にしたいと思います。どうぞご参加ご検討ください。

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