FBAA第63回定例セミナー 開催レポート
「だれもがキラボシ 笑顔あふれるテーマパークの秘密 」

FBAA第63回定例セミナー 開催レポート
「だれもがキラボシ 笑顔あふれるテーマパークの秘密 」

主な講演内容

アドベンチャーワールドのキーワードは「誰もがキラボシ」。
社員全員が、自分には輝ける存在になれる可能性があると信じ、日々の仕事に取り組んでいます。それは会社の理念を共有し、行動原則に基づいてミッションを果たすことに喜びを見いだしているためです。
今では社内に浸透してきた企業理念ですが、もともと当社に明確にあったものではありません。そして、お客様に喜んで欲しいという一心で、時に管理統制型のマネジメントが行われることもありました。
本講演では、まさにそんなタイプだった私がパーパス経営に出会い、明確な企業理念を定めることで社内がどのように変革してきたかを赤裸々に語ります。また、新社屋建設プロジェクトをはじめとする、理念のもと行われてきたさまざまなアクションや、持続可能なパークを目指した取り組みについてもお話しいたします。

講師プロフィール

山本 雅史 様 株式会社アワーズ 代表取締役社長

株式会社アワーズ 代表取締役社長 山本 雅史氏

 

ジャイアントパンダをはじめとする、約120種、約1,600頭の動物が暮らすテーマパーク「和歌山 アドベンチャーワールド」を運営する企業、株式会社アワーズの3代目経営者。
2015年に経営を引き継ぎ、「こころでときを創るSmileカンパニー」という企業理念をもとに、人を大切にする「理念経営」を実践。
同施設は世界最大の旅行口コミサイト、トリップアドバイザー「旅好きが選ぶ!日本の動物園・水族館ランキング2018」で1位を記録。累計入園者数は4,000万人を超える。

セミナーレポート

寄稿 北島誠士さん(フェロー 大阪6期)

大阪在住の私は、アドベンチャーワールドには何度か行かせて頂いたことがある。
そのアドベンチャーワールドの三代目社長として、“こころでときをつくるSmileカンパニー”という企業理念のもと、パーパス経営を実践され、社員満足向上とファミリービジネスの成長を実現されている山本雅史社長より、講演の機会を頂いた。
企業理念には、「ご来場頂いた方々の未来にプラスの影響を与えたい。今後に繋がる価値を提供したい。」という山本社長の思いが込められている。

山本社長の人生の転機は、元スターバックス岩田氏の講演を聞かれた時である。ミッションに向い、一人一人が主体的に動く。この経営手法であれば、アワーズにも導入できると考えた。
自己を承認し、自らを大切に出来れば、人は人に優しくなれる。考え方を変えた当初は大きなストレスを感じたが、2~3年続けるうちに、味方が増え、応援してくれる仲間が増えた。

アワーズでは、入社前に個人のパーパスについて考えて頂く。そして、会社のパーパスと重なり合う部分がある方に入社して頂くことにしている。社内の表彰制度も全て企業理念に基づいた表彰制度に変えた。新社屋の建設でも、理念の実現を重視した結果、コストも期間も当初計画の倍になった。社員には「社長の顔色を見ず、理念を見て欲しい」と伝えている。

お父様の山本継会長は、パーパス経営を良く思っていないかもしれない。しかし、山本社長は、パーパス経営を貫いている。経営方針が異なっても、山本会長の想いを時代にあった形で残そうとしている

山本社長のパーパス経営は、ビジネスの永続的発展には、確実にプラスである。
このような長期的視点のビジネスは、ファミリービジネスだからこそ、ファミリーとしての信頼感があるからこそ、成せる技である。アワーズのパーパス経営の中に、ファミリービジネスとしての強さを、改めて感じさせられた。

参加者の声

若手社員まで経営理念が浸透していること、社員がsmileで働くことができる環境など、多くの学びを得られました。最後の企業理念の仕組み化をつくることは自社でも取り組んでみたいと思います。
後継者で先代のDNAを継承しつつ、時代に合った理念経営を実践していくことは本当に大変だったと思います。
我社でも諦めず理念経営を進めようと思います。
中小ベンチャー企業のQ&Aで理念型採用での具体的方法が分かって有意義でした。理念はともすればお題目になりがちなので、それを具体的にどう使うか、考えさせることで、理念に共感できるかが測れるなと。2年前白浜行ったときはAWS入口前通っただけなので、次回は入園して理念の具体化を味わいたいと思います。ありがとうございました。
企業理念と経営理念、個人と会社の理念のベン図など言葉の定義とその意味(意義)の共有を大切にされている会社だなと思い、感銘を受けました。貴重なお話ありがとうございました。
創業時代よりのリスクテイク、次から次へと新たな試みや積極投資を重ねられ、また世代から世代へとそれぞれのご尽力と発展段階を経て今に至る、その歴史の重みに感動しました。また苦しみ悩み抜いた時間が長く続いたからこそたどり着かれた理念経営、信念を持ち原理原則を重視された実践、率直な語りとともに深く感銘を受けました。今後とも皆様のスマイルが永く続き広がっていきますよう祈念申し上げます。ありがとうございました。
覚悟を持って理念経営、社屋、サークル、社食、SDGSなどの理想的な経営を行っていらっしゃって大変参考になりました。業績も向上されていると思いますので、御父上も認めて下さる日が来るような気がしています。貴重なお話、ありがとうございました。
レジャー施設は行くことがあまりないので、アドベンチャーワールドのことは知りませんでしたが、今日の社長の企業理念や経営方針を聞いて、行ってみたくなりました。社員が笑顔でなければお客様を笑顔にできないというお話が心に残りました。会社を率いていくうえで、様々な困難や試行錯誤がおありと思いますが、社長が仕事を楽しみながら、企業活動を通じた社会貢献など、柔軟な発想で多方面にわたって想いを実現すべく行動されている姿に、応援したくなりました。
カルチャーフィットの人材採用されていることをどう経営されているかが学べてとても価値ある時間でした。
障ガイ者の子供がいるので私自身も家族全員が当たり前にテーマパークに行って楽しむ時間が簡単ではありません。
素敵な取り組みされてると感じました。
益々のご活躍お祈りしております。
本日は、ありがとうございました!(FBAAフェロー 荒川 浩明 様)
今回もお話を伺うことができて光栄です。ありがとうございました。(FBAAフェロー 山田 哲也 様)
本日は、大変参考になるお話を頂き、ありがとうございました。山本社長とお父様との共同経営のスタンスは多くのファミリービジネスにとりまして、大変参考になる、ファミリー経営の在り方だと思います。本日のお話を受けまして、アドベンチャーワールドに、また是非とも伺いたいと思います。(FBAAフェロー 北島 誠士 様)
山本社長、ありがとうございました。FBAAの講座でお伝えしたいことの実践例のお手本としてお聞きしました。感動しました。
3か月に一回、お父様に叱られているとのこと、この関係も素晴らしいと思います。お父様の愛情を感じます。ありがとうございました。(FBAAフェロー 武井 一喜 様)
ご講演ありがとうございました。お話の中から、やはり後継者の思い、覚悟がないと先代も納得しないし、業績も向上しない。結局は事業承継がうまくいかないということをあらためて感じました。今後のますますのご活躍をご祈念いたします。(FBAAフェロー 新屋敷 辰美 様)
山本社長、本日は貴重なお時間を頂戴しご説明下さり誠にありがとうございました。パーパス経営について、良いも悪いも包み隠さずストレートにお伝えいただけたこと、大変興味深く拝聴しておりました。本日のセミナーの中にあった「人生理念」は考えた経験がありませんでした。自分は人生を通してどのような軸を定め生きていきたいのか、改めて考える良いきっかけになりました。(FBAA会員 戸松 峻希 様)
「笑顔を会社と社会に届ける経営者は、家族みんなが笑っているということ」「写真はうそをつかない」「ファミリーが本当になかよし」等、山本社長が個人として大切にしていらっしゃることが、経営理念になられていることに、あらためて家族の在り方の大切さを感じました。ありがとうございました。(FBAAフェロー 村田 弘子 様)
仕組みに落とし込むということです(FBAAフェロー 今井 あかり 様)
何度かお話は拝聴しておりますが、聴くたびに「こういう会社にしたいな」と思います。(FBAAフェロー 清水 勇輝 様)
上述したように、私はサイバー大学の学生です。
今回、同大学教授でFBAA発起人理事の一人でもある、馬場研二先生からのご案内でセミナーを知りました。
以前にも一度馬場先生にはセミナーの案内をいただいており、参加してみたいとは思っていたのですが、初めての参加がアドベンチャーワールドの運営企業ということで、和歌山県生まれの私としては、これもなにかの縁だなぁと感じておりました。
さて講演の内容についてですが、山本社長がご自身でおっしゃられていたように、「超パワハラ上司型」の監視方法から、自分のやりかたで人がどんどん辞めていき、経営の仕方や自分の考え方について思い・悩み、勝ち・負けの人生から、勝ち・勝ちの人生に方向転換した結果、自分が変わったことで、180度周りも変わったように感じた。とお話しされていたところが印象的でした「これが出来たら、人生を振り返った時、満足できる」ことは何だろう?と考え、それがアドベンチャーワールドのスローガンにも深く関連している、『関わるすべての人をSmileに』へと結びついたそこまでの過程や考え方などが数年前からの私とかさなるところが多く、とても共感しました。
また、DX化のトップダウンによる推進や、強制的に健康になってもらえるメニューに変えた社員食堂「KOKORO」。
任せるところは本人に任せ、自己決定や成長を促す。あくまで会社(企業)は個人の成長のアシスト。企業は関わる人が幸せになるための舞台でしかない。というスタンスに代表されるように、強制させてでもやるところ。基本、自分主体で考えださせるところ。この部分。私なりの言葉で言わせてもらいますと、「信頼と強制(=リーダーシップ)の匙加減」が現在の経営や上に立つ存在には重要なのだなぁと感銘を受けました。
限られた時間の中ではありましたが、貴重な経験の一部をお聞かせいただき、ありがとうございました。(狩谷 亮裕 様)

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