「脳科学的知見から見たファミリービジネスの人間関係 」〜創業98年の家業からベンチャーへの転身〜

「脳科学的知見から見たファミリービジネスの人間関係 」
〜創業98年の家業からベンチャーへの転身〜

開催レポート

セミナー概要

2022年2月26日(土)19:00より、第55回日本ファミリービジネスアドバイザー協会(FBAA)定例セミナーが開催されました。

亀ヶ谷氏ご自身は神奈川県でドラッグストアを展開する家に生まれ育ち、ファミリービジネスの一員としてFBAAでファミリービジネスについて学ばれました(5期)。

今回は亀ヶ谷氏に2つのテーマでお話いただきました。
I 家業に生まれ育って自分自身が経験してきたこと
・自分自身が「カメガヤで働くこと」を決めたこと
・兄弟で会社を経営すること
・家業に邁進する中で、自分自身の葛藤として感じたこと
〜チャレンジの夢。但しなかなか決断できず
・老舗企業であたらしくベンチャー企業を立ち上げた経緯
志フレームとの出会い(やりたい事とやるべき事)

II 自分が経験したからこそ出会った「WELL BEING」
・「WELL BEING」がもたらす大きなパワー
脳科学的な分析からのモデル化(思考と感情の一致、意識)
・ファミリービジネスにおけるWell-beingフレームの活用可能性

 

シェアのポイント

  • ココロの健康・カラダの健康・キズナの健康に意識を向けることの重要性
  • 自分自身のバランスが取れることとで他者への関わりが変化してゆくことへの関連
  • 職場にWELL BEINGを取り入れることで、真の健康経営が実現できること

 

参加者の声(アンケートより抜粋)

  • ファミリー一人一人の価値観や考えを重視しつつも、どのように一体性を高め、永続性を確保するかという点で有用な考えであった。
  • スリーサークル全てのファミリービジネスとしての目的を考える上でも、その中にいる個人の幸せを考える上でもとても有効なフレームワークだと思いました。
  • 他人と意見が合わない場合は、バッククランンド、経験・知識が違うとの認識しかありませんでしたが、脳科学的にこのような見方があるのかと改めて思いました。
  • ファミリー同士が関わりあう中で、今回のお話を知っているかどうかでコミュニケーションの流れが変わると思いました。

 

主催者より

今回、著書「WELL BEING」を発刊されたばかりの亀ヶ谷正信氏にご登壇頂きました。著書では、病気ではないが完全に健康でもないという「未病」の状態を脱して、「WELL BEING」な状態(健康であり幸福である状態=「健幸」な状態)にする具体的なやり方を明らかにしています。これは、特にファミリービジネスを経営していく上で、重要な視座を与えてくれると思い、登壇をお願いしたところ快諾を頂き、今回の開催となりました。

著書では、「WELL BEING」な状態になるためには、「思考と感情を一致させること」が重要であるとしています。思考とは、論理的な考えのことで、「ああしなければならない、こうしなければならない」などの「べき論」を表します。この「べき論」が高じると、「自分は正しい、相手が間違っている」、「自分は被害者、相手は加害者」という2項対立を生み出します。感情とは、「ああしたい、こうしたい」などの願望を表します。特に、共感のプログラムを備えた感情(=情動)は、清濁併せ呑む考え、全体性を内在しています。

今回のセミナーでは、この思考と感情のメカニズムを、脳科学の見地から詳しく説明して頂きました。私たちは、極めて狭い認知領域から「正しい」ことを導き出していること、したがって論理的思考には限界があること、つまり私たちが「正しい」と思っていることの大半は間違っている、ということが明らかになったのではないかと思います。

ファミリーの対立の多くは、「血がつながっているのに、長く一緒に暮らしているのに、なぜ私の考えを理解してくれないのか」という「自分は正しい」という考えが根底にあるように思います。このセミナーに参加してみて、「相手の状況に関係なく、まずは自分が冷静になり、2項対立思考から抜け出すこと」。これができれば、対立解消に向けた筋の良い打ち手が見えてくるのではないかと思いました。
(FBAA執行役員 5期フェロー 藤原健一)

講師紹介

亀ヶ谷 正信(かめがや まさのぶ)氏

青山学院大学経営学部経営学科卒業後、(旧)三井信託銀行へ入行。その後、曾祖父が創業したドラッグストアを運営する株式会社カメガヤに転職し、トータル51案件(総額約67億円)の出店を起案するなど、累計で総額30億円以上の営業利益創出に貢献。

2015年よりグロービスで経営を学び直し、上位5%の成績で卒業。その後、「未病」産業において革新的なイノベーションを起こす事を使命と決め、Social Healthcare Design株式会社 及びSHD研究所を設立し現在に至る。

著書「WELL-BEING」を好評発売中(入手はこちらから)

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