「ファミリービジネス」の実証実験

「すべてがえん」…これは私が学生時代にインターンシップで働いていたベンチャー企業の経営者が教えてくれた言葉。当時は就職氷河期で偶然にも内定を得て浮かれていた私を窘め、その後の社会人人生をより生きやすくしてくれた言葉でもある。

「全てが縁」…偶然にも内定を得た私に能力があった訳でもなく、その企業の社風に合っている「であろうという縁」で入社出来ただけだと言う考え。

その後、社会人として他社とのコンペに勝ったことも負けたこともあったが、結局は縁があったか、無かったか…が理由だと考えると、良い時も浮かれず辛い時も打ちひしがれることも減り、特に困難な状況では少しだけでも前に進む力になってくれている。

次の良縁を信じて常に努力を続け、進むだけだと信じる力。

その良縁の1つとして偶然にも「FBAA」に出会うことが出来た。

現在、証券仲介業として金融に関わる中で、出会わせていただくお客さまには何かしらの「縁」を強く感じている。

多くの経営者から、自身や父や祖父の代でそれぞれ困難に出会ってしまった時に「誰か」や「何か」の「縁」で切り抜けてきた話もよく聞く。

その話の多くは、当時助けてくれた人が「自分も困った時に助けてもらったから」という言葉を掛けてくれた、という逸話も多い。

全てを自身のものにするのではなく、商いで関わる人々も支え合って年を重ねていく日本の長寿企業が多いことも日本独自の良い文化なのかもしれない。

また、企業を最も強くする源泉は結局お金でも広大な土地でもなく、「会社を愛するオーナー家や社員、そして取引先も含めた関係者」の「良い関係を築こう」という想いや「この困難を乗り越えよう」という強い意志なのかもしれないと改めて考えることが多くなった。

その点はファミリービジネスを学ぶ中で、改めて「家訓」や「家憲」を創る創業家があることを知り、ますます確信を得ている。

先に述べたように、本来ならば金融に関わる身として証券に関する専門用語の説明や仕組みを記載すべきであるとも考えたが、多くの皆さまには身近に「番頭」として機能している方がいるはずなので、冒頭から私のファミリービジネスに関する思いや考えを示してしまった点はご容赦を。

文中含め、ご指摘・ご質問等がある際は弊社HPのメールフォームからお気軽にお問合せ下さい。

本題に進む前に、金融の知識としてきっと多くの皆さまがご存じの日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)の違いについて。

日経平均株価は日本経済新聞社が東京証券取引所市場第一部に上場している銘柄のうち市場を代表する225銘柄を対象に単純平均(除数の修正あり)で算出した株価指数で、東証株価指数(TOPIX)は東京証券取引所市場第一部に上場する内国普通株式「全銘柄」を対象とした時価総額加重方式で算出している株価指数である。

仮に30,000円の株価を付けている企業が100円上昇して30,100円になった時と

500円の株価を付けている企業が100円上昇して600円になった時の「100円は同じ影響」である日経平均株価の意外な仕組みも実は存在している。

東証株価指数(TOPIX)では算出方法が違うため、そのようなことは起こらない。ちなみに東証株価指数(TOPIX)は基準日である1968年(昭和43年)1月4日の時価総額を基準値100として、その後の時価総額を指数化している。

このような何気ない指標のカラクリは結構多いので、何かの機会でそれぞれの特色を理解してみると面白いかもしれない。

参照:日本経済新聞社インデックス事業室 日経平均株価(Nikkei 225 Index)
日本取引所グループ TOPIX(東証株価指数)

では、本題に。運用で関わる「証券業界」を改めて見つめ直すと不思議で独特な業界であると再認識させられる。

「お金を運用したい」方々が証券会社を利用するが、通常は「余裕資金」を運用するため「損をしてそのお金が減ってしまう」心配はあっても、世の中でよく聞く「明日の生活が困っている」話題はあまり出てこない。

そして証券業界で働いている私たちはその「お金がどのように得られたのか」について聞くことは出来ても、「本当に0からの厳しい環境からどのようにして得られた資金であるか」について身をもって体験することが出来ない。

前職の証券会社では本当に多くのことを学ばせてもらい、大変感謝している毎日であったが、どうしてもその違和感を払拭できず、40歳の時に当社を設立して現在に至っている。やはり経営することは本当に厳しいと日々実感している。

しかし苦難の連続の中でも時には幸せな出来事も起こるのだが、その一つはFBAAに出会い、この良縁をきっかけに高い志を持つことが出来たことだろう。

当社も家族経営を続ける中でファミリービジネスとして永続的に続くことを目標に挫けず日々実証実験を行っているが、その方法や状況はまたの機会にご報告させていただこうと思う。

最近は、これも「縁」から高校の後輩と産学連携の共同研究として「音響認識・画像認識システムの開発会社」を設立し、「2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)」で共同論文を発表した。

2020年12月に無料のトライアルソフトウエアの公開も開始したので、FFTアナライザを活用している方やLPCアナライザにご興味がある方は是非ご利用していただければと思っている。

https://geometricdistance.com/jp/
https://geometricdistance.com/_userdata/pdf/3Rin4-30.pdf

弱小企業がファミリービジネスとして成り立つ実証実験を繰り返すことで当社も強い企業になることを目指し、その何かがFBAAの発展に微力ながらでも貢献出来るよう、今後もFBAAで学び続けながら前進していきたい。

是非皆さまのお知恵もお貸し下さい。

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