ファミリービジネス事例は貴重な財産

ビジネスオーナーファミリーや関係者の方々とお会いしていると、

「他のファミリーは承継に向けて何をしているのか。自分たちに参考になる事例があれば教えて欲しい。」

というご依頼をよく頂きます。

確かに、ご自分のファミリーの家族関係や具体的な資産の管理について、かなり親しいご友人であっても詳しく伝えておられる方は少ないでしょう。

また、我々専門家には守秘義務がありますから、自分が関わった事例を、他のお客様に伝えることは原則出来ません。

新聞・雑誌等の報道により広く知られている情報、有価証券報告書提出企業について金融商品取引法や証券取引所の規定により公表されている情報等をもとにお話をするに止めざるを得ない状況ですが、それでもお客様に大変感謝されているのが現状です。

あるファミリーが事業や財産の承継に向けて何をしたか、結果としてどうなったかという事例は、後に続くファミリーにとっては貴重な財産であり、それが人知れず消えて行ってしまうのは勿体無いことです。

海外において開催されるファミリービジネスの継続に関するセミナーは、似たような境遇にある出席者の方同士で情報交換する場として、あるいは世代間で認識を共有する場として、大変好評と聞いています。

国や地域によって相続に関する法令は異なりますが、ビジネスオーナーファミリーにとって、世代間の意思疎通の問題や若い世代のファミリーメンバーの教育(創業理念の継承はもちろん、オーナーファミリーとしての心構えも含みます)といった事項とは共通のようです。

学術研究も若干海外が先行しているようですが、日本における研究も進展しています。

筆者としても、業務やFBAAを通じて小さいながらも貢献していきたいと考えています。

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