オーナー経営者としてのFBAAでの学びと実践体験記

私はオーナー経営者として、ファミリービジネスアドバイザー資格認定講座に参加させて頂きました。

父が2期生として参加していて、父から「ぜひ自社をファミリービジネスとしてより強くしていきたいので学んで来てほしい」と言われたことが、参加のきっかけです。

バーテックは大阪で工業用ブラシの製造・販売を行っている会社で、事業規模はまだ小さいながらも今年で設立55年を迎えます。私は2008年に3代目社長として、経営面で事業を父から引き継ぎました。

FBAAでは、ビジネス、オーナーシップ、ファミリー、またそのシステムとして多くの学びを頂きました。同じ学びを得た父と私がスリーサークルモデルの中心に位置するので実践しやすく、多くのことに取り組んできました。

FBAAで学んだ前後で、私にとって一番大きな変化は、ファミリービジネスであることに自信を持つことができ、社内外においてファミリービジネスであることを話せるようになったことではないかと感じています。

日本では一般的にファミリービジネスは、不祥事やトラブルの原因や、古い経営体質などネガティブなイメージを持たれていて、学ぶ前は私も自社がファミリービジネスであることをオープンに話すようにはしていませんでした。

しかし、FBAAでファミリービジネスの強みや弱みを学び、ファミリービジネスの強みを活かし素晴らしい経営をされている企業の事例を知ることで、ファミリービジネスという企業形態に自信を持つことができました。

また、ファミリービジネスであることを強みにして経営を行いたいと思うようになりました。

最近では特に欧米の企業との取引においてその手ごたえを感じています。弊社の欧米の取引先の多くが中小規模のファミリービジネス企業です。最近、自社の会社紹介をするときに、ファミリービジネスであることや、自社の経営理念、判断の基準をプレゼンテーションの中に入れるようにしました。

すると、取引先の経営者は弊社の理念や考えに共感してくれるばかりではなく、取引先自身もファミリービジネスであることや、ファミリービジネスであることに誇りを持っていることを熱く語ってくれました。

国は違っていても後継者としての経験には共通することも多く、大変親近感をもって話をすることができました。

商売を通じ共に儲けることも大切なのですが、理念に共感し、信頼関係をもって取引ができることは何よりも嬉しいことです。

商談後の食事の際も、家族の話をすることも多く、ファミリービジネスとしての何とも言えない温かさを感じました。

取引先とお互いにファミリービジネスであることがキーとなり一体感を持てたことは驚きでした。

日本は長寿企業が多いと言われており、弊社の取引先にも創業100年以上という会社もありますが、残念ながらそこまでの話が出来ている取引先はありません。

ファミリービジネスに対するネガティブなイメージや、ファミリービジネスについてオープンに話す文化がないことが影響しているのではないかと感じています。

またファミリービジネスの魅力が社会に知られていないだけでなく、私のようにファミリービジネスの企業の中にも魅力や優位性に気づけていない経営者が多いのではないかと思います。

私が感じているファミリービジネスの魅力をキーワードで言うと、理念重視、長期的視野、結束力、安定感、温かさ(愛情)です。

今後FBAAで学んだことを実践するのはもちろんですが、家族、社員、取引先と、理念をベースにした心で結ばれた関係を目指していきたいと思います。

私は35歳の未熟な経営者です。また会社も発展途上です。ファミリービジネスの弱みやリスクも理解し、上記のような魅力を磨いていくことで、より一層社会のお役に立ち、永続的に発展する会社を目指していきたいと思います。

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